食品衛生指導員研修会を開催しました
令和2年9月18日(金)会員店舗の「味楽園」さんにて、乙訓保健所環境衛生課の野口裕子様をお迎えして食品衛生指導者研修会を開催しました。科学的な見地に基づいた、食品事業者にとってタイムリーですぐに役立つ知識を講義いただきました。
目次
研修会テーマ『お店のクラスター予防対策』
新型コロナウイルスの特徴と対策
感染経路
『空気感染と飛沫感染の違い』
空気感染:非常に細かいウイルスが空気中を漂い続けている中で感染する。
飛沫感染:比較的大きめのウイルスなので時間がたつと地面の方に落ちてしまうので、咳やくしゃみなどで飛び出した直後を特に注意する。
感染予防のポイント
つけない(拡げない)
- ウイルスは環境中で増えない、自力で動けない。最初に感染した場所と二次汚染でついてしまった場所に注意
- 症状がなくても査音に放出することがある。大切な人にうつしてしまわないよう自分が持っているかもしれないと石井記する
- 目・鼻・口和取り込みやすいので注意
もらわない(触れない、避ける)
- ウイルスは自力で動けない。人が触れる場所は2次汚染の危険
- 咳、くしゃみ、大声は2m先から飛んでくるかも。マスクで鼻と口を覆っていない人が近くにいたら要注意
- マスクやフェイスシールドでは完全にブロックできない。でも、正しいマスクの装着方法なら9割防げる
取り込まない(目・鼻・口に入れない、吸い込まない)
- 目・鼻・口はウイルスの入り口。乾燥しないように水分を採る
無くす(洗い流す、消毒する)
- ウイルスは洗い流せる。流水15秒の手洗いで1/100に減り、石鹸で10秒もみ洗いと流水15秒すすぎで1/1万に
- エタノールの刷り込みも有効
- 身体以外なら薬剤を利用する
打ち勝つ(免疫力を高める)
一番に効果を発揮するのはヒトが元来持っている自然免疫。
- 笑顔で楽しく(NK細胞を増やす)
- バランスの良い食事(腸内環境を整える)
- 適度の運動(体温を上げる等)
- 良い睡眠(細胞を修復する)
消毒方法
ウイルスを無毒化する薬剤(体表面)
エタノール
エタノール(70~80%が最適)でウイルスの膜を壊す。乾いた状態の部位に刷り込み、乾くのを待つ。
- 引火性があるので、乾きにくいジェルタイプ使用後はすぐに火を扱わない
- 油を取り除く性質があるので、手荒れに注意して保湿を行う
- アルコールに弱い方は運転などの作業に影響する場合は使わない
洗剤(界面活性剤)
ウイルスの膜を壊す効果を持つものがあり、製品記載の使用方法で使用することが重要。
- 効果が確認されている成分とそうでない成分があるので過信は禁物(0.05%以上の塩化ベンザルコニウムや塩化ベンゼトニウムなど9成分が有効)
- 界面活性剤には、洗い流しやすくするという効果もある
エタノールは70%以下だと効果が低くなりますが、80%以上でも内部に浸透しにくくなり表面だけの効果にとどまってしまうので、製品の選択には注意が必要です。
ウイルスを無毒化する薬剤(身体以外)
エタノール、洗剤(界面活性剤)も使用できる。
熱水、加熱
80℃、10分で死滅させる。
- 温度が高ければ、必要時間は短くなる
- やけどに注意
- 80℃のお湯を使用して10分放置ではなく、80℃以上の状況に10分以上ウイルスを曝すということ
塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)
最強の薬剤
0.05%以上の次亜塩素酸ナトリウムでウイルスを破壊するので、原液を指定の濃度に薄めて拭いてから水拭きする。
- 肌を痛めるので、手袋をして使用すること
- 金属やプラスチックを腐食するので、必ず後から水でふき取る
次亜塩素酸水
- 次亜塩素酸ナトリウムとは異なる
- 不安定な物質であるため、過信は禁物(適切な使用が困難)
- 次亜塩素酸水生成装置を持っていて、作りたての次亜塩素酸水をかけ流しのできる状況での使用が最善
ウイルスを無くす対策のポイント
- まず物理的に取り除く(洗い流す)→減らす
- 次に科学的に取り除く(消毒する)→無毒化する
- 平滑なところでは落としにくい
- 肌荒れに注意、界面活性剤の相乗効果も活用
- ウイルス以外の汚れで薬剤を消費しない
科学的根拠がはっきりしない方法による「おまじない」、中途半端な対処による「消毒したつもり」は危険です。
京都府ホームページ
「感染拡大予防ガイドライン(例)(標準的対策)」などを活用しましょう
懇親会
先ほど習った予防対策を実践しながら、研修会会場でもあります京都府長岡京市天神の「焼き肉 味楽園」さんにて引き続き懇親会を開催しました。
懇親会会場のご案内
焼き肉 味楽園
- 17:00-23:00(22:00ラストオーダー)
- 月曜日・第3火曜日定休(祝日の場合は翌日)
- 店内禁煙
- 075-951-4956