【報告】推進員・指導員研修会で土井志ば漬本舗を見学

「京名物 土井の志ば漬」ののれんが掛かる土井志ば漬本舗の建物。背後に杉の山が迫る

2026年(令和8年)10月13日(火)、食品衛生推進員・指導員研修会を京都市左京区の土井志ば漬本舗で開催し、11名が参加しました。柴漬けの製法を学び、袋詰め工場では色分けによる衛生管理や加熱殺菌の工程を見学しました。

「土井志ば漬」の看板と大きな木樽の前に並んだ、研修会の参加者と案内の方の集合写真

当日は商品管理室の吉村室長に、赤紫蘇の畑、熟成館、袋詰め工場を案内していただきました。

大原の寒暖差が守ってきた「チリメン赤紫蘇」

柴漬けは、京都・大原で1000年前から食べられてきた漬物です。夏野菜を赤紫蘇と漬け込み、冬の保存食にしたのが始まりといわれています。

大原で育つのは、葉の縁が細かくギザギザし、表面が縮れた「チリメン赤紫蘇」です。原種に近い姿が残ってきた理由は、次の3つだそうです。

  • 山に囲まれていて、他の品種と交配しにくい
  • 水がきれい
  • 朝霧が立つほど寒暖差が大きい

同社は1901年(明治34年)の創業です。本社裏の畑では今も、出来のよい株を翌年の種取り用に残しています。

山すそに広がる赤紫蘇の畑の前で、説明を聞く研修会の参加者

原料は紫蘇・ナス・塩だけ 約30日の乳酸発酵

同社の柴漬けの原料は、赤紫蘇とナスと塩だけです。紫蘇は自社農園で育て、ナスは京都産を契約農家から仕入れています。

夏に大きな木樽へ漬け込み、職人が重石を均等に積んでいきます。1樽にナス約1トンを漬けても、水分が抜けて仕上がりは約350kgになります(歩留まり35%)。約30日の乳酸発酵で、紫蘇とナスの皮の色が鮮やかな赤紫色になります。

樽は必要になるまで開けません。その間も乳酸菌の働きで、酸味が少しずつ増していきます。酸味が強くなると、傷みの原因になる雑菌が増えにくくなるそうです。

柴漬けを漬け込んだ木樽。上に大きな重石が山のように積まれている

袋詰めから加熱殺菌まで 工場の流れ

工場は、見学通路からガラス越しに見学しました。味付けは、調味液に野菜を入れて冷蔵庫で一晩置いて仕上げます。

袋詰めは、自動で計量してから、真空包装とシールまで機械で行います。その後、次の2つの検査機を通ります。

  • ウェイトチェッカー(重さの検査機)
  • 金属検出器

最後に、80℃の水槽を約30分かけて通して加熱殺菌します。千枚漬けは縦に入れると割れるため、横から入れる専用の充填機を使っています。

見学通路からガラス越しに見下ろした袋詰め工場。自動計量の真空包装機やウェイトチェッカーが並ぶ

すぐにまねできる「色分け」の衛生管理

工場では、道具の色で用途を分けています。

道具色使い分け
桶青/白調味液用/野菜用
ホース青/ピンク井戸水/電解水
清掃用ブラシ黄/緑/赤食品に触れる部分/機械の脚など/床

洗浄には電解水、それ以外の作業には井戸水と、水も使い分けています。

色で決めておくと、誰が作業しても取り違えにくくなります。床用のブラシで調理台をこすり、汚れを食品に移すといった失敗も防げます。

小さな厨房でも、まな板やふきんから始められる工夫です。HACCP(ハサップ:衛生管理の計画と記録の仕組み)で決めた手順を守るうえでも役立ちます。

加工工程の作業場。調味液用の青い桶と野菜用の白い桶が分けて置かれている

千枚漬けの賞味期限は最長12日 浅漬けは新鮮なうちに

千枚漬けの賞味期限は、袋詰めから最長12日です。参加した会員からも「12月に送って、お正月に食べたいと言われて困った」という経験談が出ました。浅漬けは日持ちしないことを、買う方にきちんと伝える必要があります。漬物を扱う会員の皆さまは、お客さまへの声かけの参考にしてください。

研修後は交流会

研修後は洋食屋AKIRAに場所を移して、交流会を開きました。交流会から参加の方も含めて14名が集まり、見学の感想を語り合いながら、会員同士の親睦を深めました。

洋食店のテーブルを囲み、グラスを掲げて乾杯する交流会の参加者

ご案内いただいた吉村室長をはじめ、土井志ば漬本舗の皆さまに心よりお礼申し上げます。

【お問い合わせ】
乙訓食品衛生協会
〒617-0006 向日市上植野町馬立8(乙訓保健所内)
電話:075-933-1241
FAX:075-932-6910

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